読む前の注意点です
○2人は20歳です
○植木くんは1DKに一人暮らし中(バス・トイレ付)
○私の中にある 「二人は結婚するまで結ばれていない」設定(そんなのあったのか)を無視。
○とある方に差し上げた物の修正verです。
○「それでも迎える君の朝」と対な感じです。
「それでも訪れる君との朝」
君と迎える朝は、こんなにもキレイで、朝日はまるで、世界を貫く矢のようだった。
目覚めると最初に目に飛び込んできたのは、それこそ目の覚めるようなキレイな青い髪だった。
次いで実感したのは右腕にかかる、ほんの少しの重み。
(・・・・・・・あぁ、そっか・・・・昨日・・・・)
思い出して顔が赤くなる。
(う、わぁぁ・・・・俺、うあぁ・・・)
何故だかすんごい恥ずかしいような(実際恥ずかしい事したけど!)叫びたいような(近所迷惑だ!)
親にいえない事した感じ・・・・したんだよ・・・あぁ
・・・・・・・・昨日の森・・・可愛かったなぁ、って!何考えてんだ俺!!
「う、ん・・・・」
起きた!?・・と、寝言か・・。
とりあえず落ち着こう。深呼吸を何度か繰り返す。
起こさないように腕を抜いて、ズボンに足を通し、彼女の好きなココアを作るべく動き出す。
部屋に戻ると彼女はもう起きていて、色々話をした。
何だか俺ばっかりドキドキしてるみたいで、悔しい、と違うけど俺は一生敵わないんだと思った。
も、じゃなくて、あいはとても優しくて、俺の全部を受け止めるように抱きしめてくれた。
あったかくて、俺もあいにそう感じてほしくて、いっぱい抱きしめたつもりだけど・・・伝わってるのかどうかは謎だ。
体とか本当に大丈夫なのかな・・・
女は、昨日したみたいな事は初めてだと、かなり辛いものなのだと、
誰からか聞いたのか、何かで読んだのかは覚えていないけれど知識で知っていたから。
素直に聞いてみて、その後背中に感じた温かさにドキリとする。
返ってきた言葉は、質問の答えじゃなくて、ずっと前に書いた将来の自分の話。
今思えば、けっこう無茶な事を書いていたような気がするけれど。
あの時は、本気でそう思っていたから思いのままに書いたのだった。
「こっち見て?」
そう言った彼女の言葉に従って振り向けば、愛おしむように瞼にキスをされる。
たまらなくなって、彼女を呼べば、デコピンを食らった。
まだ慣れない新しい呼び名を、しかし相手はすんなりと口に乗せて笑った。
自分の欲をそのまま素直に口にすれば、速攻で拒否をされて凹んだけれど。
ココアの味がしたキスは、とても甘くて柔らかくって、病みつきになりそうだった。
ココア味が薄れるくらいキスを繰り返す。
ここで、ひとつ問題がじわじわと浮かんでくる。
俺は男の子でです、ね・・・
やっぱり、その・・・・ねぇ?
(なんだっつの)
自分の心の中でツッコミ入れる。生命の性ってやつを悲しいかな実感。
自分が点けたとはいえ、あいの身体に点々と残る赤い痕は目の毒だ。
・・・・・・速く服着てもらえばよかった・・・・うぅ
「あい」
「・・・・ん」
繰り返し行われたキスで、とろんとした瞳のまま、それでも俺と目を合わせて息を整えながら答えるあいに
ダメ元の、でも俺的になけなしの色気とかカッコよさとか、とにかく持てる力の全てでもって一言。
「・・・もいっかい、だめ?」
果たして彼女はなんて答えるだろう。今まで見てきた顔のどれかで答えるのか。それともーーーーー
あぁ、神様?世界は今日も平和で、俺はやっぱりバカのままです