「ん…、っあ――こ…す、けっぁは…ん」
「ん―…っ」



ピチャピチャ、と室内に響く水音。
一組の男女のお互いの唇――正確に言えば舌を絡め合う時に漏れる音。
女の口内をむさぼる様にうごめく男の舌に、必死に無理だと主張しようと
何とか言葉を発しようとするが、その度に逆に動く舌を絡めとられてしまう。



「や……ぁんむっ!っは…ぁ、っん!」

女の体から力が抜けていき、腕にもたれかかるような体勢になる。

「……ちょっと待てって言ってるでしょうがぁっ!!」



言葉よりも一瞬速く男の顔面に叩き込まれた拳は見事にクリーンヒットで、
殴られた方は仰向けにベットに沈んだ。


「ちょ、無茶苦茶すぎでしょアンタ!何っ、いつそんなスイッチ入ったの!
  …てか、何処でそんな、き………キスの仕方覚えたのよっ!!」



………シリアスエロモード終了。短かったなぁ



「何処って……お前としながら色々研きゅ「いやぁ言わなくていいっ!!」」
「どっちだ……」

まぁ毎回こんな感じなワケなんだが、たーまには
最初の雰囲気にも憧れるわけだって話(誰に言ってんだ)


「なぁー」
「何よ」


少しだけ脱がした服を整えながら(くそぅ)返事をする彼女―――森あいを見つめる。


「俺とするの嫌か?」


単当直入に聞いた言葉にあいは一瞬驚いて、刹那顔を真っ赤にしてうつ向いた。


「別にただしたいだけじゃないぞ、俺。お前だから抱きたいし、一緒にいたい」


恥ずかしい事言ったかもなぁとは思ったが。でも、まぁ事実だし。
気持を伝えてから、お互いの間には沈黙が横たわる。
今日はもう帰した方がいいかもしれない、と口を開きかけて


「私だって………」


自分のじゃない声が聞こえて、それはもちろん目の前のあいからだった。

「私だって、その……嫌なわけじゃなくて――…」


ゆっくりと、俺にも自分にも言い聞かすように話すのを、俺は黙って続きを待った。


「あんた、は何か…こーゆーの知らないとか中学の時に思った、
 のに……何か上手くなってる気がするし、私はっ…ついていくのに必死になって
 ……は、裸なんか今だに恥ずかしくて頭真っ白になって……」


言いながら更に顔を赤くしながら小さくなっていくあいに堪らなくなってくる。


「俺だって頭真っ白になるぞ」
「そうかもだけど……私だって…私…で」


どんどん小さくなる声を一つもとり溢すまいと、集中する。
次に聞いた言葉に頭を殴られたような衝撃を受けたのだけれど。




「私ばっかり気持ち良く、て……アンタはちゃんと気持ちいいのかな、とか………」




……………――――

惚れた弱みとかじゃなく、顔を真っ赤にして、少し上目使いで自分を見るあいは反則技に可愛かった。
あーやられた。



「……まぁようは慣れないだけかもしれないけど「あい」……へ?」


肩を掴んで押し倒す。もう半分くらい理性は吹っ飛んでるけど、そんなに痛くはないだろう力で。


「こ、耕助?」
「ようは慣れなんだな?」
「へ?」


一瞬きょとんとした顔のあいは、しかし意味を察したのか急激に「ヤバイ」という顔になる。


「ちょ、アンタ何考えてんのよ!」
「ん?明日俺もお前も休みだし、ゆっくり出来るなぁと」
「話し聞いてた!?」
「慣れれば平気なんだろ」
「違うわーーー!!」
「あーはいはい、眼鏡かけて」
「ちょ…はなせーー!」



抵抗されながらも眼鏡はしっかりかける。
遠視の彼女は近付くと俺の顔が見えないらしいから。



「ちゃんと見てろよ」



お前にしかこんな顔見せないんだからな



言えば「……ばかでしょあんた」と呟いて、そっと目を閉じる。


どうやらお許しが出たらしい。


あぁ、そうだ
明日は二人とも休みだから、
いつもよりも寝坊して
君と昼間でゆっくり眠れそうだ。









この二人は19〜20歳で初めて体の関係持った設定の二人です
地下街とか、こっちで置いてるのとは、また別の二人
こっちの森ちゃんはそーゆーのに対してちょっと潔癖症。
植木の方が先に受け入れて、待ってる感じ
うん。色々形はありますよね
ギリギリセーフでこっちでいいや〜とか思ったのですが・・・
まずいかな・・・・