「何読んでんだ?」
「ん?漫画」
「どんな?」
「自分そっくりな魔法の国のお姫様に魔法の赤いリボンを
もらって変身出来るようになった女の子の話」
「へー…」
「読む?って、少女マンガなんか読まないか」
「んー…元気な〜君がすき〜♪」
「へは?」
「赤いメガネもキリリと〜♪」
「え、う、植木?」
「ほら笑顔が〜ううんっ君には〜やっぱりにあってる〜♪」
「………やっぱり植木って謎だわ」



男のが夢見がちかもしれないって話






「青島刑事とすみれさん…」
「は?どうしたんだ?」
「大佐と中尉…は違うわね」
「な、何の話しだ?森」
「お涼様と泉田君…も違うわね、全然」
「だ、誰だそれ…」
「う〜ん…」
「お〜い!もーりー?」
「あっエドとウィンリィ!……しっくりこないわね」
「もりぃ…」
「乱馬とあかね」
「も、森さん?」
「ないわね……あっリッドとファラとか!」
「………?」
「ないわね……」
「だから、なんなんだよそれ」


二人の関係名は植木と森、て事で。





「なー知ってるか?」
「何よ」
「蟹座と獅子座の支配星」
「?…知らない、何それ?」
「何かあるらしい。んでそれが太陽と月なんだってさ」
「ふーん」
「何かよくないか?」
「何が?」
「離れててもお互い影響しあってる、て感じが」
「……あんたはドコの乙女よ」


ちょっとした事でも繋がってる気がして





「森、膝貸してくれ」
「は?膝枕をしろって事?嫌よ暑いし」
「じゃーんけーん…」
「ちょ、しないってば」
「じゃーんけーん」
ぽん
「あっ…」
「よっこらしょ」
「……暑い……重い」
「負けたじゃん。じゃーんけーん」
「ちょ…!」
ぽん
「くっ…!」
「気持ちいい…」


本日快晴、金曜日





そんな事考えてる場面じゃなかった。
それよりもっと大切な事をしなくちゃならなかった。
こんなギリギリの時に、でも浮かぶモノなんて決まりきってる、


あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともなが
「………反則だよ、森…」



命もやす炎でさえ、君の想いであればと





「あれ?あんたシャンプーかえた?」
「へ?あーんー…姉ちゃんが新く買ってきた」
「CMのやつ!へーこんな香りなんだ!」
「姉ちゃんから匂うのは良い気分になるけど、自分もあの匂いかと思うと少し嫌だな」
「そう?…でも良い匂い…次それ使おうかな」
「………んじゃ俺もこれにしとく」
「はい?あんた嫌なんじゃないの?」
「嫌じゃない。嫌じゃないから早く今のやつ使い切れよな」
「?、うん」


君と同じ香りがいい、なんて秘密だ。





「お伽噺の王子様って何か好きになれないのよね〜」
「なんでだ?」
「ほら、あーゆー話ってさ、お姫様が主役だから王子は存在薄いじゃない」
「王子のせいじゃなくて話の問題だろ」
「そうなんだけどさ」
「森がお姫様だと王子に巻きこまれる冒険話とかになりそうだな」
「えー!まぁ確に待ってるタイプじゃないけど」
「ほんでめちゃくちゃ王子の世話やくんだ」
「あっはっは!サッさと次に行くわよ!みたいな?」
「そーそー」
「実際やりそうだわ、私」


俺にとってはお伽噺じゃなくて、本当の話だよ





「………この状況って絶対おかしいわよね」
「どこらへんが?」
「あんたが私の腰を抱いて、お腹に顔を埋めてる所」
「いーじゃん別に………」
「良くはないけど悪くもないわねぇ」
「落ち着くんだ」
「………そう」
「森から生まれたかった、俺………森の子供とか」
「あんたみたいなデカイ子いらないわよ」
「そっか、そうだな」


女の子のお腹はの中には海があるのだと知る。





「森はいくらもってる?」
「750円」
「俺は60円」
「………少ないはね」
「昨日通販で面白いもの買ったんだ」
「またか!あんたも好きね」
「んで、二人合わせて810円か」
「何か必要なの?貸そうか?」
「これから二人で旅にでないか?」
「はい?どこによ。」
「810円で行ける所まで」
「………帰りは?」
「気にするな」
「するわ!!」


どこまで行けるだろう。
あぁでも君とならどこへでも行ける気がするから





「お〜い!うーえきー!」
「?、森……どうかしたのか?」
「ん!あのさあのさ!魔法薬作ったの!試してみてよ」
「………………い「飲んでよ♪」」
「因みにどんな薬だ?」
「これぞ定番惚れ薬!ほらっぐい〜っと!」
「………………………お、味は普通に上手い」
「………で、効き目は!?何か変わったりした?」
「誰に惚れる薬なんだ?」
「最初に見た相手って相場は決まってるのよ!で!?」
「………特に変わってはないかなぁ」
「うそー!!絶っ対成功だと思ったのに!」
「まぁがんばれ」
「う〜……」


惚れ薬って最初から相手の事好きだと効かないですよ、
うっかり屋の見習い魔女さん


15巻表紙パラレル